今回は、「GビズIDに基づくe-Gov電子申請」の話題で、2021年3月22日以降、離職票の手続きが可能になることによって、今後電子申請の普及が進むということになりそうです。
電子申請に「GビズID」という方法が加わる
私の事務所では、社労士業務のうち、年金事務所、ハローワーク、監督署への手続きの大半が現在、電子申請で行っております。そして、電子申請の方法としては社労士用の業務ソフトで行っているのが実情ですが、一部その業務ソフトが対応していない手続きもまだ存在します。
そこで、私は業務ソフトでは対応していない手続きのために、「e-Gov」での電子申請にも積極的に取り組んできました。また一方で、私は電子申請を推進のためのアドバイザーというのもやっていることもあって、この「e-Gov」での電子申請に習熟する必要もありました。
ここ最近は、押印廃止によってかなり事情は変わってきてはいますが、従来、紙ベースの各手続きでは、この「本人確認」と「意思確認」を印鑑で行ってきたのです。紙ベースの場合では、この「本人確認」と「意思確認」の重要度によって、「認印」で良かったり、あるいは「実印」でなければならなかったりしてきたのです。
電子申請でネックになっているところ
電子申請の場合も同様で、この「本人確認」と「意思確認」の重要度によって、IDとパスワードだけで良い場合と電子証明書でないといけない場合がありましたが、厚生労働省に対して行う電子申請については、ほとんどが電子証明書でなければならなかった。ところが、2020年4月より「GビズID」という方法が新たに加わりました。
宮崎の場合、2020年度の電子申請の進捗状況は、40%弱という状況です。しかしながら、電子証明書の取得にお金がかかることや紙ベースでの申請のほうが慣れていること、また、トライはしてはみたが、電子申請での手続きが完了するまでには至らず、途中で断念したという話も結構、耳にしていました。
2020年4月1日より特定の法人(具体的には資本金1億円を超える法人など)について電子申請の義務化が始まったことに合わせて、「GビズID」による方法が生まれました。そして、この「GビズID」による方法は、IDとパスワードによる申請と電子証明書による申請の中間にあると言ってもよいと思います。
なお、「GビズID」による電子申請については、2020年11月にe-Govが全面改修されて、やっと「GビズID」による方法が使えるようになって、電子申請が少し進むようになったと思います。しかし、2020年11月の時点では、まだ離職票の手続きが「GビズID」を使ってではできませんでした。
2021年3月より離職票の手続きが可能に
2021年3月10日に「e-Gov」のサイトで下記のようなアナウンスがされて、「GビズID」を使って、2021年3月22日から離職票の手続きが可能になりました。
【雇用保険関係手続】新規手続の追加について(令和3年3月22日~)
この「GビズID」を使っての離職票の手続きが可能になったことで、今後電子申請がますます進んで行くと思いますし、私もかなり期待しています。
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